今朝見たネットニュースで、福島県では子供(震災当時18歳以下)の甲状腺がんが30人に増えたと知った。
甲状腺は首の付け根付近・前方にある内分泌器官で、基礎代謝をつかさどるホルモンなどを分泌する。
バセドウ病などは、甲状腺の機能が活発になり、ホルモンが出過ぎる病気。人によっては基礎代謝が異常に上がり、痩せてしまう。
逆に、甲状腺の機能が低下する病気も存在していて、私は甲状腺機能低下症の一種・橋本病を患っており、毎日の服薬を欠かせない。(薬さえ飲んでいれば正常値。)
そして冒頭の記事の「甲状腺がん」は文字通り、その甲状腺に出来るがんの一種。一般的には甲状腺にしこりを感じて初めて検査して、偶然発見されるようなもので、1cm以下の無症状のがんの場合は成長が遅い事もあり、経過観察で済ませることもあるという。
そんな甲状腺がんが、福島県のほぼすべての子供を検査して、昨年末の検査時の16人から30人に増え、それを受けた福島県は「原発事故の影響とは考えにくい」との発表をした。
あくまでも、甲状腺を患っている九州の一住民の考えだが、普通、甲状腺なんて、風邪とか腹痛とかとは違い、明らかな違和感を感じないと検査しない。
私の場合などは喉の違和感(声が出づらい、嚥下時に痛み)があって初めて受診し、検査して、最初は「亜急性甲状腺炎」と診断され短期の服薬(プレドニン)治療、のちに「慢性甲状腺炎」と分かり、別の薬(チラーヂンS)を長期服用しなければならなくなった。
甲状腺がんなどは、無症状の場合も多いようで、私のような違和感から受診して、初めて分かることもあるようだ。同じ職場にいる甲状腺がんを患った男性などは、喉のしこりを感じ受診してがんを発見。摘出手術を受けて、今は私と同じ薬を飲んでいる。(服薬量は私の数倍だが。)
そんな内分泌器官の疾患を、無症状の人もそうじゃない人も、全部ひっくるめて対象の住民全員にやっているのだから、そこそこの数も出るだろうし、通常なら検査するに至らない新たな患者も発見出来ている現状では、本当の数が増えたかどうか、また「16人」や「30人」が対象の住民の数に対して多いのかなんて、公平なデータを取らなければ分からないのではなかろうか。福島県の人口は平成28年5月1日現在で推計人口は190万人程だというから、例えば、人口規模があまり変わらず、福島の原発事故の影響とは全く無縁そうな岡山県(人口191万人、さらに瀬戸内には原発は無い)とかで調査してみればいい。(福島県は影響なしと判断した理由を「チェルノブイリと比較して被ばく線量が少ない」とか「県内の地域別発見数に差がない」等としている。)
チェルノブイリで多発したという「悪評高い」甲状腺がんが、子供たちの世代で○人ですと言われると確かに大人たちはぎょっとする。
しかし、県内でどうこうではなく、数の裏付けをしっかり示して貰わないと、その本当の状況は見えないのではなかろうか。