好きな叔母さんがいて。
実際は実父の従姉なんだけど。
目が悪くて。
でも、そういうのを物ともしないバイタリティの持ち主で。
口も悪くて。
頭の回転がいいから、よく実父は言葉でやりこめられていて。
「あのおばさん、口が悪いからすかん。」
とは実父の弁。
でも実父にとっては大切な、一回りくらい上のねえさん。
実母も私もよくかわいがってもらった。
実母に至っては、そこの嫁さんであるかのように足しげく通っていた。
私が結婚する時には奄美に来たがっていたけれど、心臓があまりよくないから飛行機に乗って来るのを諦めた。
うちにボーズが生まれた時は自分の孫のようにとても喜んでくれた。
ひとりでバスにでも乗って、すぐに遠くまで遊びに行くような人だった。
でも、そんな少し前から骨折したり、体を壊したりして入院がちになっていた。
最近、うちに来たときは、ずいぶん歳をとった印象だった。
…ま、82歳だし。
そんな叔母さんが最近また入院した。
いつも入院するところから1日で別の病院に転院させられたという。
昨日、実母が見舞いに行き、夜、そこの息子さんと電話で話したという。
叔母さんは癌で、もう手の施しようがないらしい。
目が悪く、その分カンが鋭い人だから、何か思うところがあるようで、息子さんには自分が癌では無いかと疑っているような発言をしていたようだが、ごまかしたという。
今年中かもしれないような状況らしい。
普通顔を出さない私までが見舞いに行くと、そんなに大げさな入院では無いんだから、と、酸素吸入器の付いた顔で言うだろうが、何か感づかれてしまいそうで行けない。
あぁ。
もう一度会いたかった。
もう一度、憎まれ口を叩かれたかった、と思うのだが。
しばらく、どうするのがいいのか、悩もうと思う。
間に合わなくならないうちに。